FTPを用いたMPI入門
こんにちは。LEOMOの才田です。
今回はFTPテストを用いたMPIの解析を通して、選手の特徴をつかむ事例について紹介します。
パワートレーニグに馴染みのある選手には一般的なFTPテスト(20分の全力走)を元に、2人の選手のモーションデータを見てみます。
LEOMO Bellmare Racing Team 横塚選手
Fig. 1:横塚選手のFTPテスト
- データの特徴
- 中盤以降にパワーが上下に大きく乱れて不安定
- 高すぎる強度でスタートしたために
- 後半にDSSが減少
- 終盤になるにつれて右足のFoot ARとQ1が大きくなり左右差が拡大
- きつくなると利き足の右足を主導してパワーをキープしようとする
- Pelvic Tiltが不安定になる
- 座り直しが多いなどじっとしていられずに腰が暴れている
- 結論
- 横塚選手はきつくなるにつれてDSSが減少する(足の動きだけにフォーカスするとスムーズになっている)が、各レンジの左右差が拡大し腰も大きく暴れ始める。DSSの減少は腰のバタつきや左右差の拡大という代償動作の結果であると考えられる。
トップアマチュアのTTスペシャリスト 香西選手
Fig. 2:香西選手のFTPテスト
- データの特徴
- パワーを最後まで一定にキープしながら最後に少し上げることができた理想的なFTPテスト
- 終盤になるにつれてDSSが増加
- 終盤になるにつれてすべてのRangeの左右差が拡大
- 骨盤の動きは最後まで安定
- 結論
- 横塚選手に比べて骨盤の動きは終盤でも安定しているが、疲労に応じて左右差やDSSが増大する。香西選手は疲労が腰でなく足先の方に現れるタイプの選手であると言える。
- 全体のまとめ
- 選手によって疲労がどのMPIにどのように現れるかは異なる。パワートレーニングの基準を設定するためのFTPテストはTYPE-Rにとっても選手の特徴をつかむ一つの手段としてとても有効である。
- もちろん自転車ロード競技においては登りと平坦、シッティングとダンシングなど様々な状況で動きが異なるので、FTPテストにプラスしてより多くのワークアウトを参考に選手の特徴をつかむべきである。
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