プロトコルでMPIの特徴を把握する 「2分走プロトコルの紹介」

こんにちは。LEOMOの才田です。

今回は人それぞれのMPIの特徴を掴むためのプロトコルを紹介します。


皆さんの中にはパワーメーターを使ってトレーニングをしている方が多くいると思います。パワートレーニングはFTPという基準があることによって様々なワークアウトメニューを組み立てたり、レースデータを解析できています。

MPIは人によって、走る条件によって、様々な特徴があり変化します。パワートレーニング同様、MPIに関しても人それぞれの基準が必要なのです。今回はMPIを解析する上でそれぞれの選手の基準を作るプロトコルの一例について紹介していきます。


以前のブログで紹介した通り実走とトレーナーでは体の動きが異なります。実走で行われるレースが目標である限りプロトコルも実走で行うべきです。

今回は信号の多い都市部に住む方にも比較的実践しやすい2分走のプロトコルを見ていきます。


2分走は平坦の直線路で行います。止まることなく集中して行えるところが良いでしょう。もちろん周りには注意して行ってください。

パワーは2分のMMP(Mean Maximal Power、あなたの2分間のベストパワー)の90%を基準に行います。普段のトレーニング通りに行うことが重要です。テストだと思って特別なことは意識しないでください。

ケイデンスも自由に選んでいただいて問題ありませんが、プロトコル中はできる限り同じケイデンスを維持します。

変化するパラメーターがパワーやケイデンスなど複数になると、MPIの変化する原因が特定し辛くなるためです。今回のプロトコルでは「変化するパラメーター=疲労」とします。

他に平坦の直線路で行うメリットとしてはトレーナーとのデータ比較がしやすい点も挙げられます。実走とトレーナーでどれだけ体の動きが違うかわかるでしょう。


今回は3選手(A、B、C)が行った2分走プロトコルからMPIの変化を見ていきます。


表1: 2分走のデータ詳細(2min: 2分走全体の平均,1/4〜4/4: 2分走を4分割した30秒毎の平均値)


MPIがどのように変化したかわかりやすくするために2分走を30秒ごとに4分割したものが表1です。時間が進むにつれて変化するMPIは選手によって様々であることがわかります。

2分走全体の平均値から各選手の高い強度での走行中の特徴がわかります。DSSの有無や各レンジの左右の差、Pelvic RotationとPelvic Rockの大きさの違いなどです。例えば選手BはPelvic RotationとPelvic Rockがそれぞれ6.7°と3.7°であるのに対して選手Cは2.7°と9.5°と、骨盤の動かし方に大きな特徴の違いがあります。


次に疲労の蓄積に伴ってどのようにMPIが変化していくかに注目します。各選手について注目したいMPIの平均値を抜き出したものが表2です。

選手A: Pelvic Rotationは減少(6.6→4.9→4.0→4.1)、Pelvic Rockは増加(5.6→5.9→7.1→7.9)します。

選手B:Pelvic Rotationは減少(7.2→7.3→6.7→5.8)、Pelvic Rockは増加(3.4→3.5→3.7→4.3)します。

選手C:Leg ARが左は減少(65.1→63.9→63.6→61.8)、右は増加(61.6→62.9→63.8→64.5)することで左右差が拡大します。またPelvic Angleが減少傾向(62.9→61.7→61.4→60.4)で、Pelvic Rockは増加(7.7→8.3→10.0→12.0)します。



表2: 変化の大きなMPIの平均値の推移

このようにプロトコルを行うことによって各選手の動きの特徴や、疲労時にどのようにMPIが変化していくかがわかります。MPIの基準がわかっていれば自分の動きが安定しているのか、崩れているのかがわかります。変化することのわかったMPIを改善するために、どのような意識を持てば良いのかを発見することが重要です。例えばPelvic Rockを抑えるにはハンドルを強く握りすぎない、上半身を可能な限りリラックスするなど選手によって方法は様々です。

選手それぞれの感覚とMPIの数値を合わせていくことで、今までのようなパワーをベースにしたトレーニングに「動き」という新たな要素を組み込むことができるでしょう。


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